完璧・怒髪天を衝くの語源は藺相如が作った?

戦国時代

キングダムでも有名な、趙の三大天の一人である藺相如。

 

彼が生きている限り、強大な秦も攻勢に出ることができなかったといわれています。

藺相如には、あの廉頗将軍との「刎頸の交わり」などさまざまなエピソードがありますよね。

実は、他にも「完璧」「怒髪天を衝く」の言葉の由来も作った人物なんです。

秦からの提案

秦の昭襄王(キングダムに出てくる政の曽祖父)・趙の恵文王(キングダムの出てくる悼襄王の祖父)の時代。

秦の昭襄王は、趙の王家に伝わる「和氏の璧」という宝玉の話をきき、何としても欲しいと思いました。

そこで、秦と趙の国境付近にある15の町と交換しようと趙に提案してきたのです。

▽玉といっても、丸くなく、円盤状に磨かれた形だったようです。

しかし、和氏の璧は趙王家の宝物であり、そう簡単に渡せるものじゃありません。

しかも、秦が本当に15の町と交換してくれるのかあやしいものでした※

※秦は、会談や交渉に来た他国の使者を約束を破って幽閉したり、自国の宰相を他国を内応してるを疑い殺してしまうなど修羅の国でした。

ただ、当時の秦は強国であり、提案を拒否すればいつ趙に猛攻をしかけるのかたまったものではありませんでした。

秦がなぜ、強国になったのかはこちらの記事で解説しています!

 

恵文王が重臣たちを話し合っても、結論は尽きません。

どうしたものかと悩んでいると、ある大臣が「自分の食客に藺相如というすごい切れ者がいるのですが、どうでしょうか?」と藺相如を推挙します。

そこで恵文王は、藺相如を呼び出して尋ねると、藺相如は「お任せください。もし、秦が約束を違えるようなら、和氏の玉に傷一つつけずに無事、趙に戻ってくることを保証します!」と言い切ったのです。

こうして、藺相如は使者として、秦の宮廷に赴くことになりました。

秦王の態度にブチ切れ、怒髪天を衝く

秦の宮廷で、昭襄王と対面した藺相如は、「和氏の璧」を昭襄王に渡します。

受け取った昭襄王は、玉をお気に入りの寵姫や家臣たちに見せびらかしてはしゃいだりと、交換の話など一切する気配がありません。

その態度に、15の町と交換する気など全くないことを見抜いた藺相如は、こう言いました。

「和氏の璧には小さい傷があるので、それを確認しましょう」

そう言って、璧を受け取った藺相如は、柱に近づいてこう言いました。

「趙の王は、和氏の璧を手放すときに5日の間、身を清めてから丁重に私に璧を渡してくださいました。それほど大事に璧を扱っていたのです。
 それに対し、秦の王様は璧を受け取るや否や、あまりにも粗雑な扱いをなされます。
 趙の国王の信義に対して、なんと非道なふるまいではありませんか!
 もはやこれまで。璧を壊し、一緒に自分も頭を柱にぶつけて叩き割ってくれる!」

▽横山光輝版の藺相如~漫画 史記より~

この時の藺相如の気迫はすさまじく、逆立った髪の毛が冠を浮かせるくらいの怒りの形相だったと言われてます。

気迫にタジタジとなった昭襄王は、あわてて地図をもってこさせ、交換する15の城の話を始めます。

ただ内容からして、適当に話すだけで、さらさら交換する気がありません。

「一度、和氏の璧は私が預かります。
 王様も、趙の国王がしたように5日の間、身を清めていただきたい。
 その後、璧をお渡ししましょう」

そうして、その場をうまく収めたのです。

※ちなみに、この璧を投げつけようとするシーンは先の横山光輝バージョンの漫画以外でも、数々の場面で再現されています。

▽中国でのドラマ

▽中国の絵

▽石像

 

おそらく、藺相如は昭襄王が、もともと15の町と交換するつもりなどないことに気づいたうえで、綿密な計画を立てて使者になったのでしょう。

それでも、このときの昭襄王のなめた態度が相当カチンときて、激怒したんだと思われます。
藺相如は意外と血の気が早かったのかもしれません。

この時の光景から、「怒髪天を衝く」という故事成語ができあがったのです。

バレずにしれっと趙に帰還し、完璧となる

その後、藺相如は、和氏の璧を趙から付いてきた部下に渡して、ひそかに趙に帰らせます。

そもそも秦が交換する気がないことはわかったので、璧を渡す必要もありません。

ただ使者である秦王に身を清めるように言った藺相如がこのまま趙に帰るわけにもいきませんでした。

 

5日後、改めて昭襄王は交換するから和氏の璧をくれと言ってきました。

この時点で、秦の宮廷ではピリピリとした空気が漂っていました。

大王に無礼を働いた藺相如を

「秦の王様に15の町と交換する気がもともとなかったことが明らかになった以上、和氏の璧を留める必要はなかったので、璧は趙に戻しました。
 私は歴代の秦王が約束を誠実に守ったことを聞いたことがありません。
 趙としては、先に15の町を渡してくれれば、和氏の璧をしっかりと渡す用意はできていたのです。
 しかし、重ね重ね私は秦の王様に無礼を働きました。どうか死罪にしてください」

この言葉を聞いた秦の重臣は、藺相如を処刑するよう訴えますが、昭襄王は藺相如の豪胆さに感嘆し、彼を宴でもてなした後に、趙に帰還することを許しました。

和氏の璧を傷一つなく無事に趙に戻したことから「完璧」という言葉が生まれたのです。

 

趙では、 藺相如が殺されると思ってたんでしょうね。

遺体をおさめる棺まで用意して、使者一行の帰還を出迎えましたが藺相如が生きていたことを知り、大喜びしたといいます。

和氏の璧を取り返し、かつ趙のメンツを保つという抜群の功績を立てた藺相如は、国王に気に入られ食客から重臣へと大出世することになるのです。

まとめ

この後、趙は藺相如・廉頗・趙奢という3人の名臣に支えられ安定した時代を迎えます。

キングダムでも三大天がいたから、秦の攻められなかったと言ってますよね!

この知勇兼備の藺相如がもっと長生きしてたら、趙はもっと強国として秦と対抗できていたかもしれないと思ってしまいます。

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